きっと現実逃避願望だったに違いない。

 無性に温泉旅行に行きたい感が高まっています。昨日のテレビで見た西伊豆の宿には、近いうち(=お金が貯まり次第)に絶対行くと決めました。

 それから、一昨日は会社を休みました。体調がすぐれなかったからですが、体よりも気分的な問題のようでした。その日は朝から、女房も子ども達も学校やら幼稚園やら所用やらで出かけていったので、私は9時頃起き出して遅い朝食を取り、ドキュメンタリーや時代劇のテレビを見ながら午前中を過ごしました。この時間帯に見るこの手の番組はエラク新鮮に感じました。ちなみに、見た時代劇は、「暴れん坊将軍」と「同心暁蘭之介」です。どちらも(たぶん)初回放送は15年以上前だと思いますが、話がわかりやすくて気分がリラックスできました。現実逃避するにはピッタリの番組だったのかも知れません。また、NHKのドキュメンタリーでは、山梨県にある多摩川の源流を見学する話で、その昔、源流のある山の木を伐採しきってしまったところ、多摩川が濁り、水量が減ってしまったため、東京都がその山をまるごと譲り受けて植林事業をはじめたそうです。今では森が甦りましたが、保全活動は都が続けているそうです。また、山の軟らかい土が雨を溜めてくれるから洪水が起こらないし、雨が降らなくても川の水量が減らないという話や、落ち葉から山の土が1cmできるには、100年の歳月が必要だという話も(知識として知っていましたが)、理屈無しに感動しました。

 午後からは女房と出かけて、娘を遊ばせてくれていたお肉屋さん(娘の幼稚園の友達の家)に娘を迎えに行き、その足で買い物に行きました。缶ジュースやペットボトルの飲料物を安売りしている店に行って品定めをしていたら地元の青年會の後輩に会ったので、何を買いに来たのか?と聞くと、安い缶コーヒーを買いに来ました。でも、1,000円しか無くて買えません。と悲しそうな目をしているのでおごってあげることに。そのコーヒーは1ケース税込みで1,228円でした。その後輩は嬉々として帰っていきました。おかげで自分はいろんな銘柄の缶コーヒーを6本買うのが精一杯。あと、甘酒とビールも買いました。

 夕食はカレイの煮付け定食。家で食べたので「定食」というのは変ですが、サイドメニューが「マカロニサラダ」「きゅうりの浅漬け」「春雨入りたまごスープ」というカンジで非常に定食的まとまり感がありました。

 夕食後は娘と風呂に入って、娘に頭と背中を洗ってもらいました。えらく時間が掛かって少し寒くなりましたが、娘といつまでこうしていられるのかと考えていたら、きっと今が貴重な時間なんだと思いました。それから、娘がひとりで頭を洗うというので眺めていましたが、いつのまにか、一丁前に洗えるようになっていて驚きました。ちかいうちにビデオ撮影しておこうと思います。

 しばらくしたら、兄ちゃんたちも風呂に入ってきました。我が家は2年前に実家を立て直したのですが、家族全員が入れるような広い風呂場が欲しいといって、洗い場も浴槽も大きめのものにしておいて良かったと思う瞬間です。風呂上がりには息子たちと他愛もない会話をして過ごし、娘と一緒に早めに寝てしまいました。

 こんな一日を過ごしたおかげで、少しは現実世界にも目を向ける気になりました。本当はそんなことではいけないんですけど…。また、ここ数ヶ月を振り返れば、きっと私は軽い鬱的状態だったのだと思っています。というか、だれにでも気分の浮き沈みはありますから、その沈んだ期間だったのでしょう。でも今は、「美味いビールを飲むために、たくさんの汗をかこう!」という考えになってきたので、上向き傾向に入ったのだと思います。幸いにも、若い頃に「寝ずに悩んでも結論は出ないし前にも進めない。だったら寝てしまおう」という思考回路が完成しているので、どんな悩みがあっても悶々として寝られない、ということはありませんでしたし、ここ数ヶ月の沈下時代にもそれは変わらなかったことは自分にとって自信にもなっています。

 大雑把に言うと、「遠くにある大きなものを掴むにはどうすれば良いのか?きっと自分にはそれは無理だろう」という感じの、漠然とした無力感のようなものに支配されていたのですが、今は、「死ぬほどではない努力や我慢の積み重ねの先にある快感を求めて…」という感じになっています。小さいところで言えば、「今夜美味いビールを飲むために、この面倒だし楽しくもない仕事を定時までにやっつけよう!」とか、「気持ちよく風呂に入るために、きれいに風呂を洗おう!」ということにも楽しみや生き甲斐を見いだしています。まだ完全ではありませんが、この考え方を自分の中で突き詰めていきたいと思います。

 それから、冒頭に書いた温泉については、現実逃避ではなく、前向きな気持ちの中で行きたいと思っているところです。現実逃避思考だと、借金してでも旅行に行きたい…ということになるのですが、前向き思考では、旅行のためにお金を貯めようという所が違ってくるわけです。