200LXの幻想。

 自分の経験から考えたことです、ということで…。

 かつてHP 200LXという名機がPDAの一世を風靡しました。そして月日は流れて、これまでに多くのPDAが世に送り出されました。そして今もW-ZERO3ZaurusPDAの歴史を継承し続けています。しかし未だに「200LXを超えるPDAが出てこない。」という意見が散見されます。しかしそれは正しく言い換えると「未だに200LXほど入れ込めるPDAが出てこない。」ということであり、ユーザ各自の思い入れや愛着に帰する部分なのだと思います。どこをどう比較してもハードウェアやソフトウェアの機能と性能だけ見れば、今発売されいるPDAに200LXが太刀打ちできる要素はありません。それなのに「やっぱり200LX」と言わしめるのは想いという部分が相当強いからだと思います。

 では「想い」はどうやって強まるのでしょうか?

 色々あると思いますが「共に苦労を分かち合った同志」という気持ちではないかと思います。200LXに関しては私の場合、既に先人達の苦労によって確立された世界があって、それらのノウハウを利用させて頂いたに過ぎず、純粋に機能や性能にしか目が行きませんでした。だからクイックな操作感やキーボードの感触、PIMの使い勝手などが気に入って使っていましたが、バックライトが無くて暗い場所で見えないとか、通信環境が貧弱とか、Windowsのようなマルチタスクでないとかいう弱点が気になり、それらが解決された新製品に躊躇無く飛びついていきました。余談ですが、その新製品にも弱点があって、またそれを解決した製品に飛びつく…というサイクルを今も繰り返している気がします。

 また、モノとしての愛着というのもあるかと思います。今、手元に動く状態で保存(未使用)しているPDAは、200LX、モバイルギア for DoCoMojornada 720、Telios HC-AJ3、CLIE UX50です。どれもキータッチを気に入っています。本当はこれにTelios HC-VJ2Cを加えたいところで、いつかオークション等で入手したいと思っています。このように私の場合は私の嗜好に合ったキーボードが愛着につながる大きな要素であることがわかります。逆にキーボードの無いデバイスは、いっときの興味で入手しても長くは使わないし手放してしまう傾向がハッキリしています。

 現在使っているW-ZERO3は、Webブラウズとメールの使い勝手という部分で通信環境や料金を含めて過去イチ(ベストの意味)のPDAです。しかしキーボードの感触やスライドギミックによるガタツキ感やバッテリーのもたなさやシェルの操作性は好みではありませんし、液晶保護の観点からもZaurusのように蓋が閉じるタイプを好みます。昨日新型Zaurusが発表されましたが、W-ZERO3Zaurusの皮を被ってくれたら相当イイ線だとも思います。そうやって今使っているデバイスにも、発表されたばかりのデバイスにも不満と要望を抱きつつ、今日もPDAを使いながらPDAの夢を追い続けています。