紙と画面。キーボードと鉛筆。

 今朝のNHKニュースで、人間の脳は同じ文章をケータイのメールに入力している時と、紙にペンで書いている時とで比べた場合、後者のほうが明らかに活性化するという話題が流れていました。それをきっかけに考えました。

 自分はシステム開発に携わる立場で、また日常的にもコンピュータを利用する機会も多いので、ペーパーレス推進!紙の消費抑制!を是としてきました。ですから、仕事で作る顧客向けのドキュメント、とかくマニュアル類は、オンラインマニュアルを整備して、利用者に対しては「画面で見れば済むし、印刷してもどうせ読まないから紙が無駄でしょ」的な説明を繰り返してきました。まぁ、それはそれで一理あると思うのですが、今回気が付いたことは、紙を見る(読む)のと画面を見るのとでは脳の働きが違うということ。同様に画面に向かってキーボードで文字を打ち込むのと紙に字を書くのとでは脳の働きが違うということです。

 説明が難しく、長くなってしまいますが、つまり、紙に字を書く時には、書いている間ずっと無意識のうちに紙質やペン先の状態、自分の筆跡などを意識しながら書いていますが、キーボード入力の場合はそのあたりの感覚が無いに等しく変化も無い状態です。読む行為の時も紙なら紙質、におい、重さ、陰影(立体物なので)、装丁などの「感触」を感じるなど、読むという目的のために多くの変化や感触を味わいますが、ケータイやパソコンではそれらがほとんどありません。同様に、音楽や映像も、いつもいつも携帯プレーヤーだけで視聴していると本当の感動を知ることができません。ライブや巨大スクリーンで鑑賞してこそ感動も大きくなります。

 最近の子供(大人も?)は味覚音痴だといわれますが、きっと、ほかの感覚が鈍っているのに引きずられて味覚もおかしいのだと思います。五感を活用してこそ脳も活性化されるのではないかと思います。

 ということで、とりあえず、紙の本を見直していくことから始めようと思います。