YMOを確信していく段階。

 19日はパシフィコ横浜国立大ホールで行われた、HUMAN AUDIO SPONGE(と書いてワイエムーを読む)のライブに行って参りましたよ。お昼時に移動したので首都高もスイスイでした。


 予定よりも早く着いてしまいましたが、予定通り、パシフィコ横浜の地下駐車場に車を止め、100円バスで赤レンガ倉庫に行き、崎陽軒で食事をしました。ここまでで予定外だったのは到着時間が早かったことと、崎陽軒がファーストフードモデル店だったことです。


 それから工作船展示館に行って、かの国の現状を垣間見ました。それでも時間が余ったので、女房と娘は赤レンガ倉庫でショッピングをし、男組三人は日陰に入ってゲームをしたり昼寝をしたりして時間をやり過ごしました。それにしてもココはカップルが多いですね。
そして人工物でこんな大きな、広いところをあまり知らない息子達は多少圧倒されてぐったり気味の様子でした。
海からの風は心地よく、都会の埃っぽさもなかったので、気持ちよく深呼吸できました。


 午後4時を回ったので国立大ホールに向かって移動開始。
よーく地図を見たらほんの数百メートルしか離れていなかったので復路は徒歩にしました。
それにしても天気が予報とずれたおかげで、雨にも降られずに日中を過ごすことができました。


 会場周辺には既に「らしき」人たちが集まりだしていました。
中には「チケットを譲ってください!」という団体さんがいましたが、すまぬすまぬと伏し目がちに前を通り過ぎました。


 開場時間の5時が近づくと人の列ができはじめました。
はじめて行ったYMOのコンサートは日本武道館でした。
その時ははやる気持ちを抑えられず、また訳の分からない焦燥感に駆られて、開場時間の2時間も前に列に並び、武道館の中から聞こえてくるリハーサルの音に興奮したのを覚えています。
でも今は大人になったので、指定席なんだから慌てなくても大丈夫だという知恵が付きました。


 五時を大きく回って人の列が落ち着いたのを見計らって会場入り。
ロビーでは今回のイベントの趣旨である小児がん救済のためのSMILE TOGETHER PROJECT関連のグッズ販売や募金が行われていました。
女組はグッズ購入、男組は募金で心ばかりの協力をさせて頂きました。


 ケータイの電源を切ったので時計は観ませんでしたが、5時半ごろホールに入って自分の席に着きました。
今回は前売り抽選に当たり、4枚は非常に良い1階席でしたが、1枚は何とか手配した2階席だったので、私が2階席に行きました。
それでも音響的にはセンターで良い位置でしたしステージセットの全貌も見えて満足でした。


 さて本題。
YMO実感その1。
ステージセットにドラムセットがあったこと。
これまでのHASライブでユキヒロがドラムを叩いたことはありません。
つまりドラムを叩くということは今までのHASじゃないよという表れです。


YMO実感その2。
その1に関連してお三方の立ち位置はもちろん、楽器および電子装置類の配置があのウィンターライブと同じ。
しかも教授のセットにはプロフェット5(だと思う)。おまけに細野さんのセットにはベースギター。
完全にYMOのセットでした。


YMO実感その3。
お三方が黒系の全体としてコーディネートされた風の衣装で登場。
イメージ的にはキリンラガーのCM的コーディネートという感じでした。
三人のバンドであるという意識が充満していました。


YMO実感その4。
1曲目は以心電信。
このオープニングでYMOじゃなかったら何の演奏でしょう?


 ということで興奮しながらお三方の一挙手一投足も見逃すまいと力の入った鑑賞となりました。2曲目は細野さんの名曲Sports Men。最近発売された細野さんのトリビュートアルバムでユキヒロがカバーしている曲です。ステージではメインボーカルがユキヒロで細野さんがコーラスを付けるという夢のアレンジでした。


 Sports Menが終わったところで異変が起こりました。
なんとユキヒロが「どーもありがとうー!」と言ったのです。
この感覚は……?
そう、高橋幸宏のソロライブの感じじゃないですか。
ということで、今回のライブ、全体としてはユキヒロ式で進行しました。
このメンバーのコンサートでMCするのは史上初めて、とユキヒロが言いましたがたしかにそのとおり。
YMOのライブで一番しゃべったのは、ボコーダーを通じて教授が「We are Yellow Magic Orchestra」というだけでしたから。
ちなみにMCの中で教授と細野さんが語らう場面がありました。これはYMOだけではなくどのライブを通じても史上初だと思います。


 さてここでYMO実感その5。
多くの観客の期待はYMOの数々のお馴染みナンバーの演奏だったでしょう。
たしかに今回はサービスも多かった。でも基本的には「今」の曲を中心に構成されていました。
途中ユキヒロが「ハンドクラップするなり、立って踊るなりご自由にどうぞ!」
と言いましたが、よく知らない曲では踊れないもの。
ウィンターライブでTECHNODELICとBGMを中心に演奏した時の客のとまどいや、散開ライブでServiceからの楽曲になると客席全体が落ち着いた感じになったことを思い出して、これもYMOだなぁとしみじみしましたよ。


 後半はついにユキヒロがドラムを叩きました。
自身のソロライブ、サディスティックミカバンドのレコーディングとライブなどでこの数ヶ月はドラムを叩く機会が多かったためか、かつてのワールドツアーの頃の切れのあるドラミングでした。
ユキヒロかっこいー。
93年の東京ドームで行われた再生ライブの時は、音響調整の具合も多分にあるでしょうけど、正直なところ力強さや切れがいまひとつだと感じました。これも経年による変化かと思いましたが、今回の演奏を聴いて、単に叩き込み不足だったことが図らずも露呈しました。
気を向けて叩き込めば、ユキヒロのドラムはかっこいーです。


自己陶酔型の繊細な演奏をする教授。
鋭い切れ味のドラミングと甘いボーカルのユキヒロ。
前のめり気味のノリでベースを弾きラッピングする細野さん。
その全てを披露してくれたお三方のサービス精神に触れ、涙があふれそうになりました。


 アンコールステージでは最初にユキヒロが登場。そしてメンバーを呼び込みました。
先にサポートメンバーの高野寛権藤知彦高田漣(申し訳ないけど高野君以外はよく知りません。あとで勉強します。)がYMOシャツで登場し。残るは教授と細野さん。
ユキヒロがこのふたりをゲストではなくメンバーとして呼び込むのはやはり史上初ということで緊張のご様子でした。もしかしたらアンコールは赤の人民服でも着るかな?と一瞬思いましたが、ユキヒロと教授はTシャツ。細野さんは当初からの衣装での登場でした。


 再々アンコールではなんと教授がドラムセットにご着席。
この瞬間、会場の多くの人が演奏曲を予想できたと思います。
教授がドラムを叩くといったらCUE以外ありませんから。
ということで「Give Me a Cue」でした。


 コンサートが終わって外の出ると雨が結構な本降りでした。
地下駐車場まではほとんど屋根でカバーされていて、都会のすごさを感じました。
車に乗り込んで改めて回想してみると、家族みんなの満足している様子が分かりました。
高1、中2、小3の子ども達にどれだけわかるのか不安もありましたが、家族みんなが同じ感性だったことを嬉しく思いました。


 とにかく、お三方が一堂に会しているの生のお姿を子ども達に見せることができたのは奇跡です。
今回の企画が成立したことも奇跡、チケットが取れたこともまた奇跡的でした。
何か今回のことで、親の大きなつとめの一つを果たした気持ちになりました。


 最後の誤算は駐車場からの出庫で起こりました。
チュウシャリョウキンハ・サンゼン・キュウ・ヒャクエンデス。と精算機が言いました。
えつ?最大1,300円じゃないの?
と思いつつ機械に従って支払いましたが、1,300円と信じ切っていたので、もし残金2千円とかだったら大変なことになっていました。
今改めてパシフィコ横浜の駐車場料金を調べたら「*平日割引 午前8時〜午後11時は最大1,300円 」と書いてありました。


 なお今回のコンサートは音声画像収録がアナウンスされていましたので、いずれテレビの特番やDVDリリースがされると思います。直近では今晩、日本テレビのゲツヨルで放送されるそうです。



*** 追記 ***

 本日の日記に対して不快の念を表明されるコメントがありましたので、該当(と思われる)箇所を削除しました。
不快に思われた方には申し訳ないことをしました。