ケータイ動画?

 音楽の次は動画(?)というのは安直にも思える発想ですが、どうやら動画対応のiPodが出るようです。これまでもケータイやゲーム機を端末にしたケータイ動画のソリューションはありましたが、みなさん(そこまでして)何を見ようというんでしょう?

 「そこまで」の第一は高価な保存メディアです。一般的なDVDへの録画時間・画質より劣るのに値段は高いフラッシュメモリーを記録媒体としていることから、運用コストが相当割高になりますし、無くした場合痛すぎます。

 「そこまで」の第二は手間。記録メディアが高いこととも関連しますが、ほとんどの場合、ハードディスクレコーダーなどに録画済みの動画をケータイ形式(便宜上そう表しています。)に変換する使い方になると思います。交換メディアがたくさんあるわけでもないですから、見る分だけ変換して持ち出すことになるでしょうし、見た分と見ていない分の管理も面倒です。

 「そこまで」の第三は端末の性能です。ケータイ電話や大きくてもPDA程度の画面サイズでは高精細であっても見にくくなります。字幕などは目に負担が掛かって見続けることが出来ないと思います。また端末小さければ登載できるバッテリー容量にも限りがありますから、連続しての視聴にも制限があります。

 「そこまで」の第四は、いったいどこで見るのか?という疑問です。今時の人は歩行のみならず自転車に乗りながらメールチェックなどをしているのを見かけますが、これは中毒症状です。ふつーの生活の中でモバイル端末に詰め込んだ動画を見る場面ってどんなものでしょうか?通勤電車の中?でも考えてみれば、使って良いかどうか別ですが、病院の待合室での待ち時間とか、要するに「ひまつぶし」には動画ってゲームよりも楽だし、音楽だけよりも飽きが来ないかもしれないので向いているのかもしれません。問題は生活の中にどれだけ「ひま」があるのかでしょうか。

 結論的には、ケータイ形式の動画を作るひまと見るひまがあるなら、もってこいのガジェットといえるのかもしれませんが、個人的な嗜好から言えば、音楽は繰り返し何度も聞きますが動画は一回見たら当分見ないかもう見ないので、準備の回数と視聴の回数がイコールに近くなり、ちょっと手間が多いなぁというカンジです。もっと記録媒体の容量が増えて単価が劇的に下がれば、動画シャッフルとかで楽しめるのかもしれませんが…。