次の選択肢。

 この間、W-ZERO3の評価を書きました。しかし私の目的はW-ZERO3という製品を使うことではなく、ToDoやアイデアやアドレス帳や今抱えている諸課題の情報を喪失することなく管理し、素早く閲覧でき、その場で修正することです。そしてそれらの情報は管理スペース、複製のし易さ、編集のし易さなどからデジタルデータが主体です。また使用するデジタルデータの全てがWindowsで扱える形式であるということも重要ですから、道具としてはこれらが扱えるコンピュータを選ぶことになります。

 ツールの選択肢としてはノートPCやPDAがあり、そこに求める重要な要素としてサイズと重量・機能・性能・バッテリー駆動時間等があります。これらの要素に対して一般にノートPCでは機能・性能が、PDAはサイズと重量・バッテリー駆動時間が優れており、持ち歩くことを考えればPDAを選択することになります。

 PDAを選択すると自ずと機能・性能が犠牲になるので、サードパーティ製やオンラインソフトでどこまでカバーできるかがポイントになります。私の場合はOutlook形式のPIMデータ、ExcelやWordなどのOfficeドキュメント、PDFなどが扱うデータの中心ですが、PDAでは特にOfficeドキュメントの互換性や編集機能がネックになることが多くあります。W-ZERO3では過去のWindows CEに比べて格段にOfficeドキュメントの扱いが向上しましたが、まだまだ実用レベルは低いと言わざるを得ません。毎日使うほどにストレスと不満が募ります。

 ソフトウェアを追加する以外にPDAの機能・性能を補う手段として運用の工夫があります。例えばOfficeドキュメントについて閲覧中心であれば予めPDFに変換してしまうことで、PDAでもほぼ正確なレイアウトを維持して閲覧できますし、表示速度も速くなります。また環境さえ整えばリモートデスクトップ接続などで自宅のPCを操作してファイルを編集することもできます。W-ZERO3の定額プランであれば通信料金を(あまり)気にせずに使うこともできるでしょう。

 このような運用の工夫はある意味で使い込み度が上がってニタニタ的自己満足も得られますから、各自のニーズと環境に応じて突き詰めるのも一興かと思います。しかし私的にはそろそろそういう食前的な、サイドメニュー的な楽しみはおなかいっぱいな感じがあり、メインディッシュを心底味わいたい気分です。すなわち、必要なデータは単純にコピーするだけにしたいし、閲覧や編集に使うアプリも手慣れたものを使いたいのです。そのための選択肢としてVAIO UXはやはり魅力的と言えます。

 VAIO UXのレビューで目に付くのはキーボードの悪さです。これは品質が低いのではなくレビュワーの期待通りでないという意味です。何処の評価か忘れましたが「まるでCLIE UX50のような…」という表現で、いかに打ちにくいかが説明されていました。しかし私はUX50と同じなら悪くないじゃん?と思いました。UX50は標準バッテリーだけだと本体が薄すぎて、結果的にキーボードが打ちにくいのですが、大容量バッテリーを使って本体を厚くすると見違えるほど使いやすくなります。もちろんこれは私の評価ですから万人がどうかは分かりません。

 今抱えている課題、W-ZERO3の不満を整理してみると、それがVAIO UXで解決するかどうかが購入の決め手になります。間違いなくデータの互換性は向上する(というか100%互換)し、アプリもフルスペックで使えます。予想されるVAIO UXならではの不満は、PCとしてどうなのか?という…だと思います。しかしそれなら最初からフツーのPCを買えば良いのであって、VAIO UXにそれを求めることが間違いと言えます。うまく表現できませんが車のトランクに収まる折りたたみ自転車に、自転車としての乗り心地や運搬性能を一義的に求めるようなモノでしょう。目的は「車のトランクに入れてどこにでも持ち歩けること」なのですから。

 というわけで、諸課題がVAIO UXで解決できる見通しがたったら、あとはコストパフォーマンスです。持ち歩きが大前提ですからゼロスピンドルモデルが購入候補になります。この価格が30GBモデルと同じくらいなら、容量半分(16GB)でもオッケーと思います。

 さていくらになるでしょうか?