モノのカチ。

 その昔、シャープから発売されたWindows CE搭載ハンドヘルドPCこと、Telios HC-VJ1Cを、発売日に15万円くらいで買いました。当時PDAといえばSL以前のZaurusやHP 200LXなどが主流で、価格帯は3〜7万が中心だったと思います。Windows CE端末についてはカシオのカシオペアNECモバイルギアシリーズなどが中心だったでしょうか? いずれにしてもそんな時代に登場したHC-VJ1Cを15万円も出して買うなんてどんなつもりだったのでしょう?

 思い返してみると当時私はIBM ThinkPad 220の跡目を追い続けていました。そういえば220を買ったときも既に旧世代化していた220を十数万円で購入しました。その時とHC-VJ1Cを買った時は同じ気持ちだったと思います。同様に東芝の初代リブレット、SONYの初代VAIO C1の購入時も価格性能比がで言ったら効率の悪いマシンを買ってきました。

 それらのマシンに求めたのは「機能を妥協しないコンパクト性」だと思います。ですから220にもWindows 95を入れて使っていましたし、リブレットは裏蓋を切って大容量HDDを積むということをしたのだと思います。同じ考えでHC-VJ1Cも買いました。最新のOS、広い画面、実用的な動作速度など、それまでのCE端末での問題点の多くを解決しており、Windows PCのサスペンド/レジュームの遅さ、バッテリー駆動時間の短さ、データの物理的保全性の低さなども解消するものでした。

 そのようなポイントを重視したのは、常に持ち歩いて何処ででも使いたい、という欲求からです。出先では機動性の高さが大事ですから、極端な話、いくら高性能でもデスクトップPCを持っていったのでは使い物になりません。HC-VJ1Cはその対極にある機動性に優れたマシンだったのです。

 HC-VJ1Cはその後しばらく、VAIO C1を買うまでメインマシンとして使いました。PWZやIdeaTreeの機能を十分引き出してくれたHC-VJ1Cでしたが、Webブラウザが弱すぎて使い物にならなかったこと、当時私の中で重要だったWord文書の扱いが弱かったことにより、主役を交代することになりました。

 HC-VJ1Cは手放しましたが、実は720と同時期に同じTeliosのHC-AJ3を手に入れました。HC-AJ3はトラックポイントを搭載するノートPCのような操作性が特徴で画面はHC-VJ1Cより広いです。キーボードもそれなりに打てるものですから、PWZなどのアプリと組み合わせると文章入力や資料作成に実用的かと思っています。思っていますと言うことはまだ実用していないのですが…。(^^;)