日本人は感情で生きる。

 昨晩と今朝のニュースは、ライブドアニッポン放送の話題ばかりでした。フジテレビ以外のソースでは時間は取っていたものの、客観的な事実と今後の見通しを流していましたが、今朝の「とくダネ!」では、小倉さんやコメンテイターがライブドア堀江社長を否定するような意見を連発していたのが気になりました。

 株式市場のことはまったく疎くて知りませんが、今回の買収劇で使われた手法はドライ思考によるアメリカンなものと理解しています。で、手法自体は法的に問題なく裁判でもライブドアが当然のように勝ちました。でも、裁判で認められなかった(犯罪ではないが不正な)行為を計画した側であるフジサンケイグループ寄りの人たちが感情的に怒っているというおかしな構図になっています。

 小倉さんやニッポン放送の社長が言っているような、これまで50年掛けて築いた文化が壊される、あるいは否定されたという思いは良くわかりますが、どうも私には、小泉純一郎さんが首相になった頃(今でも続いていますが)、様々な改革に対して反対ばかりしていた「抵抗勢力」とダブって見えてしまったのです。ニッポン放送社員の多くがライブドア傘下に入ることに反対しているそうですが、企業理念云々よりも、「自分の築いた居場所が脅かされる」ことへの反発が多いような気がしてなりません。この思いは上の立場になるほど強くなると思います。理念とか思想を語るなら、ニッポン放送の人たちには「経営者が誰であろうと、自分たちはリスナーの方を向いた番組を作る!」と言って欲しかったと思います。それに対して堀江社長が異議を唱えるようなら、世論はニッポン放送に付いたでしょう。これは戦略とかじゃなくてね。本心でそう語れば、その気持ちを多くの日本人は理解して支持すると思います。

 感情と言うことで言えば、私は堀江社長の言動にも問題大ありと思っています。簡単に言えば「その言い方はないでしょ?」と。内容の是非じゃなくて。これも感情論なんですが日本人には相手を思いやるという文化、美学がDNAに刻み込まれていると思うので、日本で、日本人として生きていくならそのあたりも大事にして欲しいと思います。まぁ、これまで、相当突っ張らないと、大企業のお偉いさん方に見向きもされないという経験をしてきたから身に付いてしまった「悪癖」かもしれないので、堀江社長を頭ごなしに悪者にはできませんけどね。

 結局、少なくても表面的には、ニッポン放送ライブドア傘下に入っても、番組の内容や作り方や社員が大きく変わるわけではないのだから、今朝のとくダネ!のように、もうニッポン放送が無くなってしまうかのような騒ぎは必要ないと思います。私もラジオと言えばニッポン放送を長く聞いてきました。これからも楽に聞ける番組を続けて欲しいと思っています。